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Polaris

※斎藤ED後
※Polaris…こぐま座の恒星。北極星















伝われば
それだけでいい





Polaris




何気なく見上げた夜空の星は思いのほか見事だった。
銀砂をばらまいたような星々の中で一際輝くのは北極星だろうか。



同じように空を見上げていた千鶴が感嘆の声を上げた。


「きれい…」


艶やかな唇が緩く開き、呟きと共に吐息が白く淡くゆらゆら揺れる。


「そうだな」


真冬の凍てついた風が地上の澱みを払うように吹いたおかげか、
夜空はどこまでも澄んでいる。

冬特有の透明な空だ。


「どうしました?」


小さく笑みを漏らした俺を千鶴が不思議そうに見つめる。


「…なんでもない」


そう言って、傍らに在る千鶴を抱き寄せた。
覗き込んだ、その瞳には夜空の星が映る。


「…きれい、だな」
「はじめ、さ…っ」

導かれるようにして、
重ね合わせた唇は少し冷えていた。



「お前は俺の中の、北の星だ」



永遠に揺るがぬ、ただひとつの星。



ずっとこの胸にいてほしい。




ただそれだけを考えて強く強く抱きしめた。

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